シンヤ先生のレッスンこぼれ話3

こぼれ話3

湘南ダンス学院の仕事は、生徒さんにダンスが上手になってもらうことです。
でもその手法は、必ずしもレッスンに限ったものではありません。

自分も駆け出しの頃は、とにかく30分間、踊ったり教えたり、
技術に関するレッスンしかできませんでした。それで良いと思っていました。
でももしそうなら、ダンスの先生は誰にでもできて苦労の要らない仕事です。

私の場合、キャリアを重ねていくに連れて、だんだん踊らないで帰る生徒さんが増えていきました。
踊らないで何をしているのかと言うと・・・
例えば、肩や背中を揉んでほぐしていたら30分かかってしまった人もいました。
前歩き、後ろ歩きだけをひたすら30分間、繰り返した人もいました。
30分間、話だけして帰った人もいます。息子のお嫁さんの愚痴でした。

一言で言うと、私のレッスンはカウンセリングなのかな?と思います。
忘れてはならないのは、これらの生徒さんは全員、本気でダンスを習おうと思って来ていることです。
そして、レッスンをする以前に解決すべき大きな障害を抱えているということなのです。

もしもここで「嫁の愚痴なんか言ってないで早くレッスンしましょう」などと言って、話を聞かないような先生は、
きっとどんな生徒さんも、上手くしてあげられないと思います。

何年か前、個人レッスンに来ていた女性とホールドした瞬間に、心ここにあらずという印象を受けて、私はこう尋ねました。
「人間関係とか金銭関係でトラブルがありましたか?」
すると、自宅に出入りしている業者さんに水増し請求されて、トラブルになっていることを話してくれました。

さすがに私にはそのトラブルの解決はできませんが、話を聞いてあげることはできます。 そして一通り嫌なものを吐き出したら、明るく元気になって帰られました。
私がどうして見抜いたのかは、ちょっと怖がっていましたけど。(笑)

この仕事、長年やってると、体に触れただけで色々なことが分かってしまうようになるのですよ。
皆様お気をつけあれ。(笑)

Back